夜空を照らす月。
そのやわらかな光は、静寂とともに人々の心を包み込みます。
太陽の天照大神、海の須佐之男命とともに生まれた三貴子の一柱、月読命(ツクヨミノミコト)。
彼は「夜の世界の支配者」として、光と闇の均衡を保つ神とされます。
しかし、その名が記されるのはほんの僅か。
語られぬ神、それが月読命の真なる姿です。
沈黙の中に深い意味を秘め、日本神話において最も神秘的な存在といわれています。
神様の基本情報

名前(正式名称・別名)
月読命(つくよみのみこと)/月讀尊、月弓尊、月夜見尊、月予見命など
主なご利益
・開運
・福徳円満
・五穀豊穣
・航海安全
・安産
・厄除け
・心身調和
※ご利益は各地の信仰・伝承に基づく後世の解釈を含みます。
所属する神系譜
天津神(あまつかみ)
三貴子の一柱
神格と性質(象徴)
月の神/夜と静寂を司る神/暦と潮汐の神/調和と内省を象徴する神格
神様を表すシンボル(動物・アイテム・色など)
・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)
三種の神器のひとつで、月の象徴とされる。
・月光/夜の海:沈黙と再生を示す神聖な光。
・銀色・藍色:静寂と知恵、深淵を表す色。
・水面(みなも):心を映し、真実を照らす鏡の象徴。
登場する神話・物語
『三貴子の誕生』
伊邪那岐命が黄泉から戻り、禊を行った際、右目から月読命が生まれた。
彼には「夜の食国(よるのおすくに)」を治めるよう命じられた。
『保食神(うけもちのかみ)殺害の伝説』
天照大神の命を受けて食物の神を訪れた月読命は、神が口から食物を出してもてなす姿に怒り、これを斬ってしまう。
その死体から穀物が生まれ、人々の糧となったと伝えられる。
『日月分離の神話』
保食神殺害を知った天照大神は「あなたとは二度と会いたくない」と告げ、太陽と月は昼と夜に分かれて天を巡るようになった。
月読命の登場は短いながらも、「光と闇の分離」「昼と夜の誕生」を象徴する重要な役割を担っている。
ゆかりの神社
【全国の代表的な神社】
- 月讀神社(長崎県壱岐市)
全国の月読神社の総本社とされる古社。古代の海人族によって信仰され、月の運行を航海の指標とした信仰が息づく。 - 月山神社(山形県鶴岡市)
出羽三山の一つ。
山頂の月山本宮は「月の霊力」を体感できる聖地として有名で、再生・浄化の象徴とされる。
【関東・千葉県の神社】
- 阿佐ヶ谷神明宮(東京都杉並区)
天照大神、須佐之男命と共に祀られている。 - 鹿嶋大神(千葉市若葉区)
月読命と共に七柱の神々が祀られている。
神様のエネルギーとメッセージ
エネルギーの質
静けさと洞察のエネルギー。
感情の波を鎮め、内なる声を聴かせる月の光。
動から静へ、混乱を整え、魂のリズムを整える力を持つ。
日常生活へのメッセージ
焦らず、静けさの中に身を置きなさい。
光は常にそこにあり、見ようとしたときにだけ現れるのです。
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