房総半島の最南端。
千葉県館山市に鎮座する安房神社(あわじんじゃ)は、日本建国と産業創始に深く関わる古社として、2670年以上の歴史を誇ります。
主祭神である天太玉命(あめのふとだまのみこと)は日本のものづくり・祭祀・経済の源流を司る神。
その御神徳は事業繁栄・技術向上・金運招福に及び、今日では「日本三大金運神社」の一つとして全国に知られています。
古代の開拓神話と創造の神格が融合するこの地は、まさに「創造と富の神々が宿る聖域」です。

基本情報

- 所在地:千葉県館山市大神宮589番地
- 創建:皇紀元年(紀元前660年)と伝わる
- 主祭神:天太玉命(あめのふとだまのみこと)
- 相殿神:天比理刀咩命(あめのひりとめのみこと)、忌部五部神
- 社格:安房国一之宮/旧官幣大社/神社本庁・別表神社
- 文化財指定:境内の「犬槇(いぬまき)」が千葉県指定天然記念物
御祭神とご利益
◆ 主祭神:天太玉命(あめのふとだまのみこと)
『古事記』・『日本書紀』に登場する祭祀と創造の神。
天照大神が天岩屋戸に籠った際、天児屋命とともに祈祷・占いを司り、御幣を作って天照大神を導き出した中心神です。
また、天孫降臨では五伴緒(ごともお)の一柱として、邇邇芸命に随従し、天と地を繋ぐ神事を司りました。
忌部(斎部)氏の祖神として、朝廷の祭祀具・衣・調度品の製作を担い、「ものづくり」「祭具」「儀式文化」の原点を象徴します。
神名の「布刀玉」は「立派な玉串」や「霊的な力を持つ玉」を意味し、玉=生命力・霊力・創造の象徴とされます。
神祇令において中臣氏が祝詞を司り、忌部氏が幣帛・祭具を司ったのは、この神話構造に由来しています。
【ご利益】
・事業繁栄
・商売繁盛
・技術革新
・創造力開花
・金運招福
・心願成就
・家運隆昌
・リーダーシップ発揮
◆ 相殿神・配祀神
- 天比理刀咩命(あめのひりとめのみこと)
天太玉命の妃神。
夫婦和合・縁結び・安産。 - 忌部五部神
(櫛明玉命・天日鷲命・彦狭知命・手置帆負命・天目一箇命)
それぞれが宝飾・織物・建築・金属など産業技術を司る神々。 - 天富命
天太玉命の孫神。
阿波の忌部を率いて房総を開拓した“日本の開拓神”。 - 市杵島姫命
海の守護神。
芸能・財運・安産のご利益。 - 大物主神
航海・漁業・海上安全の守護神。
歴史と由緒
◆ 創祀と開拓神話
安房神社の創祀は、神武天皇の即位(皇紀元年・紀元前660年)に遡ると伝えられます。
天太玉命の孫・天富命(あめのとみのみこと)が、阿波(徳島)の忌部氏を率いて東遷し、房総半島南端を開拓して祖神を祀ったのが起源。
「阿波(あわ)より安房(あわ)へ」
この地名の共通は、忌部氏の文化と信仰の継承を象徴しています。
以後、安房国の中心神として栄え、『延喜式神名帳』には名神大社・一之宮として記載。
明治期には官幣大社に列格し、国家祭祀の中心的神社となりました。
祭事と伝統芸能
安房神社では、年間を通じて多くの祭事が行われます。
| 祭事名 | 日付 | 対象の社 | 内容 |
| 下の宮祭 | 5月10日 | 下の宮 | 開拓神・天富命を祀る |
| 厳島社祭 | 6月10日 | 厳島社 | 海上安全と芸能上達を祈願 |
| 例大祭 | 8月10日 | 本宮 | 安房国一之宮の例祭 |
| 琴平社祭 | 9月27日 | 琴平社 | 航海安全・漁業繁栄を祈る |
また、6月30日には「茅の輪くぐり」が行われ、半年の穢れを祓う神事として多くの参拝者が訪れます。
見どころ・境内の雰囲気
上の宮(本宮)
神明造の荘厳な社殿。
産業の神々を祀る中心殿。

下の宮(摂社)
天富命・天忍日命を祀り、開拓と挑戦の象徴。

厳島社
磐座の内部に祀られた神秘の社。強いエネルギーを感じると評判。
琴平社
航海・漁業・海の安全を守る神を祀る。

御神木「犬槇(いぬまき)」
房総台風にも耐えた生命力の象徴。

大銀杏
秋には黄金に輝き、金運上昇を象徴する姿に。

御神水
本殿後方の吾谷山から湧き出る御神水。
今は「御神水窟」として、お祓いを受けた方のみ取ることが可能。

祈祷と参拝案内
- 受付時間:9:00〜16:00
- 初穂料:5,000円以上
- 主な祈祷内容:商売繁盛、社運隆昌、厄除開運、家内安全、地鎮祭など
- 服装の注意:
昇殿参拝ではフォーマルな服装が望ましい。
多少カジュアルでもよいが、Tシャツやショートパンツ、素足にサンダル履き等あまりにラフな服装はNGの場合あり。 - 授与品の一例:
- 金運守(1,000円)
- 風水四神腕輪守(10,000円)
- 円満の和守(1,500円)
- 足腰守(500円)
- 金運守(1,000円)
アクセス
車:館山自動車道「富浦IC」より約25分(約19km)
※観光シーズンは渋滞注意。
高速バスでの来社:「房総なのはな号」(予約制)
- JRバス関東 ☎03-3844-1950
- 日東交通 ☎0470-22-6511
立山駅前で下車。
そこから路線バスの場合、JRバス「神戸(かんべ)経由・安房白浜行」に乗車。
「安房神社前」下車、徒歩約10分。
駐車場:無料(約50〜100台)
まとめ
安房神社は、古代の開拓と祭祀の神々を祀る「創造と富の聖地」
天太玉命の「祈り」「技」「創造」という神格は、現代の「産業」「経済」「芸術」にも息づいています。
凜とした空気の中に立てば、ものづくりの原点に流れる“神聖な創造の意志”が感じられるでしょう。
仕事や人生の節目に、自らの「創造力」を取り戻す場所
それが安房神社です。


