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光なき世界 ~ 天岩戸の始まり

神話の知識

天照大神が天の岩戸へと姿を消したとき、世界は、たちまち深い闇に包まれました。

太陽の光は失われ、昼と夜の区別はなくなり、草木はしおれ、人も神も息をひそめました。

風は止まり、鳥の声も消え、世界はまるで時さえ止まったかのようでした。

「光が…消えた。」

その事実を前に、天上の神々は、ただただ凍りつきました。

天岩戸

天安河原に集う八百万の神々

やがて、神々は動きはじめます。

天上の川のほとり天安河原(あまのやすかわら)に、八百万(やおよろず)の神が集まりました。

それは、神世において最大の会議でした。

前へ進み出たのは、知恵に長けた神、思金神(おもいかねのかみ)

「光を取り戻すためには、天照大神に、外の世界へ興味を抱いていただかねばなりません。」

その言葉に、神々は静かにうなずきます。

天宇受売命の舞 ― 光を呼ぶ笑い

天宇受売命

そこで呼ばれたのが、舞と芸能を司る神、天宇受売命(あめのうずめのみこと)でした。

天宇受売命は、一つのおけの上に立ちました。

そして足を踏み鳴らし、袖を広げ、声を高らかに舞いはじめます。

天上に響く、不思議な舞。
その動きは豪快で自由で、どこか神々の心を軽くするものでした。

やがて、神々は微笑みはじめ、笑い声が広がり、ついには大笑いへと変わっていきます。

その「笑い」は、闇の中でただひとつ、確かな光のようでした。

天照大神、岩戸の奥から

その笑い声は、岩戸の向こうに閉じこもる天照大神の耳にも届きました。

天照大神
天照大神

なぜ…外は、暗闇のはずなのに。
どうして、皆は笑っているのですか?

天宇受売命
天宇受売命

あなたよりも、もっと立派で
美しい神がお出ましになったからですよ!

そう告げると、神々は八咫鏡(やたのかがみ)を掲げました。

岩戸の隙間から外をうかがった天照大神は、そこに光り輝く「ひとりの神」を見ました。

けれど、それは自らの姿でした。

自分自身が、世界にとってどれほどの光であるか。
その「まぶしさ」に、天照大神は、はっと息を呑みました。

思わず、岩戸を少し開きます。

その瞬間、天手力男神(たじからをのかみ)が両の腕で岩戸を引きはがしました。

岩戸が開く音は、雷鳴のように響き渡りました。

そして世界に再び光が戻ったのです。

須佐之男命、追放

光が戻ったあと、神々は、秩序を乱した須佐之男命を呼び出しました。

須佐之男命への罰は、一つでした。

「高天原からの追放」

須佐之男命は、天を離れ、地上へと落ちていきます。

落ちていく先は…

出雲

そこには、新たな試練と、一つの巨大な影が待ち受けていました。

次回予告

行玄
行玄

光は戻りました。
しかし、須佐之男命は天を離れます。

次回は須佐之男命と八岐大蛇の戦いへの話。

神はただ荒ぶるだけではない。
ここから、真の変化が始まります。

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