天地創造のはじまりの中で、いのちの根をそっと芽吹かせた神がいました。
その名は、神産巣日神(かみむすひのかみ)
天之御中主神、高御産巣日神につづいて現れた「造化三神」の一柱であり、
大地に命を生み育てる力をつかさどる、女神的な性格をもつ神と伝えられています。
大国主神を甦らせ、五穀の種をもたらし、豊かな大地と生命の循環を守ってきた存在でもあります。
今回は、そんな神産巣日神の神話とご利益をわかりやすくご紹介します。
神様の基本情報

名前(正式名・別名)
神産巣日神(かみむすひのかみ)
別名:神皇産霊尊(かみむすひのみこと)、神魂命(かみむすひのみこと)、御祖命(みおやのみこと)
主なご利益
・五穀豊穣
・縁結び(人と人・物事と物事を結ぶ)
・厄除け・開運招福
・延命長寿・無病息災
・願望成就・再生・子宝祈願
所属する神系譜
天津神(あまつかみ)
天之御中主神・高御産巣日神とともに「造化三神」の一柱として天地開闢のときに現れた神。
「神世のはじまり」に関わる最初期の神。
神格と性質(象徴)
・性質:生成・結び・再生・大地母神・生命力・豊穣
・特徴:女性的・母性的なエネルギーを持つ独神(ひとりがみ)
神様を表すシンボル(動物・アイテム・色など)
・大地・土・稲穂・五穀
・乳・母性・貝(キサ貝・蛤貝)
・再生・輪・緑・茶
登場する神話・物語
登場神話
『古事記』天地開闢において、天之御中主神・高御産巣日神に続いて登場。
関連神話のあらすじ
・大国主神が八十神に殺された際、神産巣日神はキサ貝比売と蛤貝比売を遣わし、「母の乳汁」で甦らせた。
・五穀の起源に関与し、須佐之男命が殺した大宜都比売神の体から生じた稲・麦・粟などを集めて、五穀の種として授けた。
・国造りにあたって少名毘古那神を大国主神の協力者として派遣した。
・国譲り後の出雲大社造営にも関与したとされる(日本書紀)。
印象的な特徴
・創造神でありながら母性的・地母神的性格を持つ
・天津神でありつつ、出雲系神々(国津神)に深く関わり支援する特異な立場
ゆかりの神社
【全国の代表的な神社】
- 出雲大社(島根県出雲市)…大国主神の復活と国造りを支えた神として重視
- 高牟神社(愛知県名古屋市)…応神天皇(誉田別尊)とともに祀られている
【関東・千葉県の神社】
- 人見神社(君津市人見)…天之御中主神、高御産巣日神とともに祀られている
- 東京大神宮(東京都千代田区)…高御産巣日神とともに祀られている
【皇室ゆかりの祭祀】
宮中八神殿…国家祭祀で祀られる神
宮中八神殿(きゅうちゅうはっしんでん)は、皇居内にある神殿で、国家の安泰と天皇の守護を祈るために特に重要な八柱の神々をお祀りしています。
神産巣日神はその第一神殿に祀られており、皇室にとって重要な神の一柱とされています。
神様のエネルギーとメッセージ
エネルギーの質
・大地のように包み込む母性的なエネルギー
・生命を再生させ、失われたものを甦らせる力
・人や自然、時間を超えて「つなぐ」「結ぶ」働き
日常生活へのメッセージ
・人間関係を大切にしたいとき
・新しい命やプロジェクトを育てていきたいとき
・疲れ切ってエネルギーが枯渇していると感じるとき
→ 神産巣日神は、あなたに「もう一度芽吹く力」を授け、失われた縁や希望をそっと結び直してくれます。
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神話解説記事
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出雲神話(大国主神・少名毘古那神)【未公開】
関係の深い神
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
高御産巣日神(たかみむすひのかみ)
大国主神(おおくにぬしのかみ)
少名毘古那神(すくなひこなのかみ)
神社紹介リンク


